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坂本真綾/宇宙の記憶レビュー

どうも、俄声豚日本代表の蔦谷一でっす!

今日は2019年7月24日に発売された、声優である坂本真綾さんの30枚目のシングル『宇宙の記憶』についてレビューさせていただきます!

早速いぐぅ!

トラック1 宇宙の記憶

この曲は、2019年7月から放映が開始されたテレビアニメ『BEM』のオープニングテーマであり、更に作詞・作曲・編曲までも椎名林檎さんがプロデュースしています。

坂本真綾×椎名林檎って、すごい豪華な感じありますよね。

坂本さんは言わずと知れた、伝説の女児(およびオタク)向けアニメ『カードキャプターさくら』のオープニングテーマ『プラチナ』を歌われていたことで有名(というか、レジェンド扱い)です。

さらに、最早ロック界の重鎮とも呼べる椎名さんがオタク文化に与えた影響力も、これまた絶大ですよ。

アニソンや声優さんのアーティスト活動でリリースされている恋愛系楽曲の歌詞でよくみる『今他の子みてたでしょ』っていうのは、椎名さんの『ここでキスして』の歌詞が初出だし(当社調べ)、アルバム名やラノベのサブタイトルなんかでよくみる、『漢字+カタカナ』というのは、椎名さんのデビューアルバムタイトルである『無罪モラトリアム 』が元ネタですからね(当社調べ)。

さて、そんな話はさておき、曲の解説をしていきます。

まず、オケについてですが、イントロを聴いた時点で、すぐに椎名林檎プロデュースとわかります。
なんだったら脳内で坂本さんの声と共に椎名さんの声が脳内でデュエットするレベルで特色全開の作りです。

歌詞もオケ同様、椎名林檎節全開です。
「そう、人間も宇宙をまだ全然ご存じない」
ってところなんて、特に。

タイアップしている、アニメ『BEM』は妖怪人間ベムの50周年記念の新作アニメーションということもあり、歌詞の内容は人間の営みを俯瞰的に、それでいてシニカルでドライにみつめた歌詞になっています。

この歌詞にメッセージ性を見いだすのならば、最後の歌詞に全てが詰まっています。

「あなたは生きている」

死んだように生きているなんて形容が世には蔓延っています。
『生きてる意味なんてない』、『何者にもなれない』と嘆く人が、日々があります。

生きているからこそ、苦しみがあり、また、悦びがあります。
なにはともあれ、僕たちは生きています。

苦しみから、逃げるのも、堪え忍ぶのも、等しく人生なのです。
そこに、価値観の違いはあっても、価値に違いはありません。
そう、妖怪からすれば。


トラック2 序曲

このCDシングルにも関わらず、意図したものなのかは不明ですが、コンセプトがしっかりとしています。

この『序曲』は表題曲の『宇宙の記憶』のアンサーソングでもあり、3曲目の『明日を知らない』と歌詞が対となっています。

収録曲がそれぞれ星座のように線と線で繋がっており、綺麗な三角形を形成しているのです。

この『序曲』は作詞・作曲が坂本さんご本人が手掛けています。

内容としては、簡単に訳すと自分を見失ってしまった人の独白になっています。

最後が
「ああ なぜとりとめもなく涙が落ちるのだろう
これが望んだ結末
いいえ これこそ静かな前触れ
私が待ちわびていた 始まり」

という歌詞で締め括られており、これから自分を探しだすという、力強い決意表明がなされます。

曲がまた良く、歌詞とマッチしてすごく感動的です。めちょめちょ良いです。心を洗浄したい方は是非聴いて。


トラック3 明日を知らない

先述した通り、『序曲』とは対となる歌詞を持つこの曲。

歌詞の全体像としては、夜明け前に目を覚ました『僕』が、『君の寝顔』をみて、心の中で呟くモノローグという構成です。


ときにみなさん。
『明日』と聞いて、何を想起しますか。

今日暮れた日が、明けたその日が明日。
と言う方もいらっしゃることでしょう。

はい。それで正解です。
つまり、タイトルの『明日』は広義に『未来』を指します。

曲中に
「残った時間は君にあげよう
どれだけあるかは言えないけれども」

と、ある通り、歌詞の語り部はこの先が短いことを悟っているようです。

しかし、タイトルの『明日』はもう一つ違う意味合いを持ちます。

ずばり、それは『待ちわびた明日』、『輝かしい明日』を意味する『夢』です。

この曲の主人公は、輝かしい自分像、人に誇れる自分像などの大志を抱いていません。

しかし、対する『君』は明日を持っており、そして、その明日を抱いているが故に、僕の元を離れるようです。

そんな君に向かって、僕は『寂しくなったら、いつでも帰っておいでといつか言おう』と、心の中で独白しています。

夢を追いかける『君』と、それを応援する『僕』という構図ですね。

悲観的にも見えますが、曲のメロディは穏やかで優しく、語り部の心情が慈愛に満ちていることが表現されています。


また、実際に聴いて確認すると頷けるかと思いますが、非常に2曲目の『序曲』と親和性が高く、見方によっては、この曲の『君』こそが、序曲の語り部なのではないかとも取れるようになっています。

実はこの『明日を知らない』は、去年(2018年9月)発売された、the band apart の20周年を記念するトリビュートアルバム「tribute to the band apart」で発表されたものの再録です。

と、なりますと、この『明日を知らない』と『宇宙の記憶』を結びつけるために、『序曲』は書かれた曲なのかもしれませんね。

どこまで計算されているのかは、神のみぞ知る。



はーい!
レビューは以上です!

シングルとは思えないほど作品色の強い、本当にいいCDなので、是非とも聴いてみてください!

では、また会う日まで!