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ヴァイオレット・エヴァーガーデン(テレビ放映アニメ版)/レビュー

今朝(2019年7月18日 11時頃)、記事タイトルにある作品の制作元である京都アニメーションのスタジオが火災に遭ったというニュースをみて、この記事を書こうと思い至りました。

※最後に作品のレビューとは関係なく、長々と上記事件について愚痴を漏らしております。ご注意ください。

総合評価

結論から申しますと、この『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は京都アニメーション随一の作品だと思っています。

僕は京都アニメーションを世界一のアニメーション会社だと盲信しており、これはつまり、全てのアニメーション作品に於いて、ヴァイオレット・エヴァーガーデンに勝るものはないと評価していると言って過言では御座いません。

では、どのような点を指して、そのように感じているのか、それをこれから簡単に説明したいと思います。

これから、下記に記するのは、ヴァイオレット・エヴァーガーデンの3つの大きな魅力です。

それでは、よろしくぅ!


1.主人公(ヴァイオレット)が可愛い

百聞は一見に如かず。

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画像は公式HPより引用

ねっ!


2.ヴァイオレットの成長

ここで、テレビ放映アニメーション版ヴァイオレット・エヴァーガーデンのストーリーについて説明します。

主人公であるヴァイオレットは元軍人の少女です。
先の大戦では、ヴァイオレットの身元を引き取っていたギルベルト少佐の元で『道具』として戦場に立ち、前線で戦っていたという経歴を持ちます。

彼女は大陸戦争の終戦を導いた最後の作戦に参加しており、そこで彼女は両手を失った上に、ギルベルト少佐と生き別れになってしまいます。

道具として戦場に立っていた彼女は人心が理解できません。
彼女は生き別れになった少佐と最後に交わした言葉の意味を知るために、手紙の代筆家である『自動手記人形』として、C.H郵便社で働き始めるというストーリーです。

最初は無感情なお人形さんのような彼女ですが、話が進む毎に、彼女は徐々に人間らしい心を持つようになっていきます。
テレビ放映版のヴァイオレット・エヴァーガーデンはその過程を描いています。

えっ、いやもう、あらすじだけで面白いじゃないですか。
加えて、話数を追うごとにヴァイオレットちゃんが様々な表情を見せるようになるんですね。
控えめにいって、最の高ですよね。

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画像は公式HPより引用

なっ!


3.話数を追うごとに感動的になっていくストーリー

正直、見てて毎話泣いてたんですけど、驚くべきことにこの作品、流す涙の量が話数を重ねる毎に増えていったんですね。

それは恐らく、製作者側が意図的に視聴者へとそのように感じるような、工夫が凝らしてあるからのように思います。

その工夫について推察するに、シリーズ構成(明かせるエピソードの順序)こそが、その正体であると僕は考えました。

ヴァイオレットは当初、他人の本音を汲む能力がほぼ皆無な状態です。
そこからストーリーを追うごとに、人々の様々な心情に触れ、他人に共感が出来るようになっていきます。
この過程は、分解された『心』という完成品を、一から組み立てているいるようにみえます。
この一話ずつ着実に進む行程は、人の心の構造を表現することに見事成功しているのです。

どういうことか具体的に説明しますと、まず、ヴァイオレットは元軍人であり、多くの人を殺めています。
しかし、彼女は当初そのことに罪悪感を抱いていませんでした。

最近の心理学では、両親から愛情というものを受けて育っていないと、人と共感する能力が培われないと定義されています。
実際に無差別殺人犯は、幼少期に劣悪な家庭環境で育った過去を持っているというケースが非常に多いです。
このデータこそが、上記のように両親からの愛情不足が共感能力を欠乏させるという理論に収束されているのです。

人は十分なアタッチメントを受けずに(自分の気持ちを汲んで、思い遣りの感じられる行動に出て貰うという経験をせずに)育つと、他人と共感する感性が培われません。すると、そういった経緯を持つ人間は他人を痛めつけることへの抵抗が少なくなるのです。

ヴァイオレットが孤児であるという経歴を持っているのですが、これは心理学的にも当てはまるのです。

彼女は手紙の代筆から、人の心を汲み取る力を養っていくのですが、それに比例して、自分の犯した罪の深さを理解していき、次第に苦しみ始めます。

この一点だけを取ってみても、構成が緻密に練られていることは、想像に硬くありません。

ストーリーが進む毎に感動的になるのは、徐々に揺れ動きが激しくなるヴァイオレットの感情を、視聴者が無意識にトレースしてしまうからなのでしょう。


話は少し逸れるようですが、シリーズの一貫したテーマとして『愛情』があります。

愛情というワードを一つとっても、対象(家族、恩人、恋人)や、経緯(背景や思い出)、抱くひとの性格によって種類は異なります。
この、ヴァイオレット・エヴァーガーデンという作品は多種多様な愛情が表現されており、そこにまたメッセージ性が感じられます。
そして、何よりもそれらはヴァイオレットが少しずつ成長していく為の糧であったと捉えられることができるのです。

また、戦争も背景にあることから、登場人物の死も描かれており、今生の別れ際に残す言葉(手紙)が提示されるお話も幾つかあります。
それらのエピソードを含めて、全話見終わると、『命の尊さをこれほどに美しく象った作品はない』と思うのです。



レビューは以上です。

ここから、只の記者の愚痴ですので、レビューを見に来た人はブラウザバック推奨です。






……。

今回の火災が多くの人にとってショッキングなニュースであったことは間違いないでしょう。
僕も今、とても気分が沈んでいます。

大袈裟でなくオタクと呼ばれる日本の国民の多くは京都アニメーション教の信者なのです。オタクにとって今回のスタジオの火災を例えるなら、『スペイン人がサグラダ・ファミリアに爆破テロがあった時に受ける衝撃』に匹敵することでしょう(当社調べ)。

なんでも、続報によれば放火らしく、死者は現時点でわかる限り十人にも上る(死者は35人へ:7月27日追記)とのことです。

残念ながら、恐らく放火犯は死刑を免れないでょう。
バックボーンにどんな出来事があったのか知りませんが、今回の放火は如何なる理由があっても赦される罪ではありません。
犯人のしてしまったことは一生かけたって償い切れるものではないのです。

ここで特筆したいのは、この犯行は人命を奪ったというだけでなく、京都アニメーションの資財、人材にダメージを負わせているという点にあります。

京都アニメーション興行収入が二十億前後の作品を複数制作している会社であることを考慮すれば、大袈裟でなく損害額は百億円を越えるのではないでしょうか。

アニメーターやデザイナー、作家は、なりたくてもなれるものではありません。人材を集める融通も利きにくいはずです。
また、知的財産ともいいましょうか、制作会社が保管していた過去作品の資料となり得るデータにバックアップがないものが含まれるとすると、今後でる予定の作品にだって影響が出ることでしょう。

この損害賠償は誰が払うというのでしょう。まず、親族は破産を余儀なくされるでしょうね(実際に、親族へ損害賠償の支払い義務が移るということは原則的にはあり得ません:7月27日追記)。

なーんて、こんな届きもしない脅し文句が言いたい訳ではなく。
ただ、こんな素晴らしい作品を制作し続けている方々が、挙ってこんな恐ろしい目に遭わされたということが本当に残念で、そして悔しくてなりません。

上記のヴァイオレット・エヴァーガーデンだけでなく、僕は京都アニメーションさんが製作した多くの作品から大きな感動や勇気を貰っております。
そんな僕らオタクにとって恩人といって過言でない会社(若しくは集団)が、このような危険に晒されるなんて、控えめにいって許せません。

もしかすると、京アニの元関係者の怨恨による犯行である可能性もなきにしろ非ずでしょうが、それにしたって…、という感じです。

さらには、さらには、上記の『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』、来年ロードショーが予定される劇場版なども制作されておりました。

遅延はまだ許せます。
しかし、今回の事件で本来あるはずだった作品の形が螺曲がってしまう可能性が考えられます。
有り体に言ってしまえば、倫理的観点から、殺人経歴のあるヴァイオレットを悲惨な死に追いやる結末に置き換えられる可能性だってあるのです。

最悪の場合は、制作中止ですか。

そうなったら犯人、わかってんだろうな!
貴方を器物損壊罪で訴えます!
裁判も起こします!
裁判所にも問答無用で来てもらいます!
理由は勿論お分かりですね!

と、こんな下らないことを書いているのも辛くなります。そんな心情です。




……。

亡くなった方々にはご冥福をお祈り致します。

そして、被害を受けた人たちが一人でも多く、今後ともアニメーション制作に携わって頂けることを切に願っています。