理解りみ深し君

理解りみの深いブログ

和歌山毒入りカレー事件の冤罪疑惑について

どうも、今年辺りに江戸川乱歩賞芥川賞直木賞を同時受賞する予定の蔦谷一です。

えっ、無理?…バーロー、知ってるわ。

突然ですが皆さん、ミステリーにおいて毒殺が働く犯人へのメリットってなんだと思いますか。

ふんふん、腕力が要らないですか。…それもたしかに利点ですが、僕が思うに毒殺の一番のメリットは秘匿性が高く、犯人の特定が難しいという点だと思います。
入手が容易な物質だった場合は、入手経路から調べることも出来ず、さらに捜査は難航するでしょう。
そう考えたとき、ふと、僕は毒殺による冤罪って多いんでないかなと思って調べてみました。

すると、このカレー事件の存在に行き着いた訳です。
この事件については、以前から存じていましたが、改めて調べ直したところ、予想した通り警察の捜査に疑問を抱く点がいくつか見つかりました。

そんなわけで、今日はタイトルにある事件の謎に迫り、このワタクスめが社会の闇にメスを入れてやります。
それでは、よろしくぅ!

※ここに記されている事件についての情報は全てネットで調べた知識であるため、信憑性に欠けています。加えて、僕が得た情報の都合がいいように誤認識をしている可能性も多いにあります。
あくまで、一つの四方山話として、お読みください。
約束だよ!


和歌山毒入りカレー事件とは

1998年7月25日に、和歌山県和歌山市園部で起きた、毒物混入による大量殺傷事件です。

悲劇の舞台は毎年行われていた小規模な夏祭りであり、そこで比較的安価で振る舞われていた、カレーにヒ素が混入されたことにより、67人が腹痛や吐き気を訴え、うち4人が死亡した事件です。

事件から約2ヶ月後、同事件の容疑者であった林眞須美さんが、保険金詐欺の容疑で旦那さんと一緒に逮捕されました。

前述の殺人事件でカレーに混入されていたとされるヒ素を旦那さんが自らが摂取し、入院を繰り返すことで保険金を得るという手口で、総額8億円という大金を騙し取っていたようです。

その、更に2ヶ月後、林さんは和歌山毒入りカレー事件の犯人として、再逮捕されます。

保険金詐欺については夫婦共に犯行を認めていますが、殺人事件に関しては、林さんは容疑を否認しています。

第一審で死刑判決を受け、控訴を繰り返しましたが、最高裁でも棄却され、2009年5月に死刑が確定してしまいました。


不審点

ネットで事件の情報を調べた上で、どうしても釈然としないことがあります。
それは、犯行時刻と被害発生時刻に多大なロスが生じているという点です。

最高裁の判決では、町民たちの証言を元に照らし合わせた結果、カレー鍋に毒を混入したタイミングは、林さんがカレーの見張り番をしていた正午過ぎとされています。

しかし、ネットの海を探せど探せど、毒が盛られたとされる、正午過ぎに被害が確認されているという情報がまったく見つかりませんでした。

僕が調べてわかった限りでは、事件当時、非番であった歌山市消防局の指令室長に『10人ほどが祭りの会場で嘔吐や腹痛を訴えている』という、非常事態を知らせる連絡があったのが午後7時半頃。
午後8時には指令室に到着したそうですが、その頃には消防隊員たちが情報収集する限りで30件の被害が確認されていたとのことです。

そして、あるインタビュー記事をみる限り、カレーを食してから症状が出るまでの時間は、『カレーを四分の三食べ終わったころに、隣で先に完食していた友人が苦しみはじめた』という証言があることから、30分程度ではないだろうかと予想されるのです。

あっれれぇえええ、おっかしぃぞぉ!!!

屋台で買ったカレーを自宅に持ち帰る人など極少数でしょうし、被害者は祭り会場でグロッキーになった方が大多数だったとみるべきでしょう。

5時間もの間、即効性のある毒の混入が発覚しないなんて起こり得るのでしょうか。

しかも、この祭りで振る舞われていたのは、カレーとおでんだけみたいですよ。

いくら、接客業などのようにマニュアル化されていない環境であったとしても、常識的に考えれば、誰か1人、ないしは2人以上が、近くで激しい腹痛などを訴えれば、危機感を感じて販売を誰かが止めるはずではないでしょうか。

何にしても、事件の発覚が遅すぎる気がします。


2つの誤った有力証言

事件の捜査当時、ある少年がこんな証言を警察に提供してます。

『正午過ぎごろ、三重にかさねた色つきの紙コップ(3つそれぞれ色が違う)を持って、カレーの鍋があるガレージまで、林さんが歩いていった』

その際、別の主婦たちと言い争いも発生していたとのこと。

なるほど!
紙コップを重ねて、一番外側にある紙コップだけを処分すれば、後から指紋が検出されないという寸法なわけですね!
この場合、現場のごみ袋に毒の入っていた紙コップを残したのは、林さんは自分と良い争いをした主婦の方に罪を擦り付けようとしたためとも考えられます。
8億もの金額を保険会社から騙しとってもバレない手法ですから、毒素の判明によって自分が犯人だと特定される訳がないと錯覚したのかもしれません。
しかし、誰かを犯人に仕立てあげるため、鍋に毒を混ぜたとして、当然その機会がある自分も疑われるのは少し考えればわかるでしょう。
そこから、家宅捜査によって保険金詐欺までが発覚するという顛末も予想できたと思います。

単に、犯人発覚を恐れて幾重にも紙コップを重ねていたのだとすれば、指紋の付着している外側のコップ"だけ”別に処分するという行動は尚更不可解です。

余談ですが、この少年の証言があったのは、保険金詐欺が発覚した後のようです。

はてさて、このカラフルな紙コップは、きちんと林さん宅で押収されているのでしょうか。
親族の方は見覚えがあったのでしょうか。

ともあれ、この目撃証言は難航していた捜査を一気に解決まで運ぶ手助けをしたようです。

しかし、少年が林さんを目撃したという位置が遠すぎ、紙コップの状態が正確に確認できたという点が非常に怪しいことと、また、彼はテレビなどのメディアに積極的に露出し、その証言したことを何度も説明したようなのですが、その度に微妙に内容が異なっていたということもあり、発言の信憑性が薄いと判断された為か、彼は裁判の段では重要参考人として呼ばれることも無かったようです。

また、裁判の最終判決では、次の証言により林さんが犯人だと断定されています。

『事件当日の正午ごろ、カレーの入った鍋の前で、不審な動きをしている女性がいた』

しかし、一説にはこの証言に出てくる不審な女性は、服装の特徴などから同行していた林さんのご息女であるとされています。
また、その女性が鍋の蓋を開けていたということなのですが、それは毒が検出されたのとは別の鍋の蓋であると指摘されているそうです。


疑惑

上記の少年による紙コップを運ぶ林さんの姿を見たという証言が真っ赤な嘘だったと仮定しましょう。

すると、こんな仮説が浮かび上がりませんでしょうか。

現場に残されたヒ素の付着した紙コップなど、本当は存在しなかった

被害者たちの症状から推測される毒物と、最有力容疑者の自宅でみつかった毒物が一致している。
こんな偶然、普通に考えればあり得ないと思うでしょう。
警察がこの時点で林さんを黒と断定するのは納得できます。
しかし、自宅から現場まで毒を運んだ証拠だけが見つかりません。
そこに舞い込んできたのが、嫌に具体的な目撃証言です。
警察側にこんな風に魔が指すのはあり得ないでしょうか。

この証言を元に、証拠品を作ってしまえ

少年の証言は、警察にとって都合の良いものでした。
適当な紙コップと、取り替えのきく毒素だけ用意すれば偽造は可能です。
なにせ、犯人特定の決め手となる指紋は必要ないのですから。

証拠さえあれば、捜査は簡単に解決へ向かうでしょう。
これで、世間を賑わせていた事件を長引かせずに解決でき、警察は面子を保てるというわけですね。


欠陥だらけの証拠

実はこの事件、警察の提出している捜査資料に、不審な点があります。
毒が検出されたという紙コップの色が資料によって変わっているようなのです。
このことから、警察の科学捜査班側でのデータ改竄が疑われているようです。

さらに、なんでもこの事件の捜査に携わった科学班の一人が別件で証拠の捏造をしていたことが明らかになったとのこと。

その研究員の方は、このカレー事件に於いては偽造を否定しているようですが、しかし、その調査を1人で行ったわけがありません。
当事件のデータを改竄した主犯は別にいるという可能性が残っています。
警察が組織である以上、科学班が刑事の捜査方針に従って、提出するデータをある程度手を加えることは十分に考えられるでしょう。

更には、死刑判決が下された後年、それを上回る衝撃の事実が判明しています。

判決の極めつけとなった、毒物の鑑定に使用されたのが、『SPring-8』と呼ばれる最先端装置とのこと。
その装置で調べた結果、被告人の自宅で検出されたヒ素と、現場に残されていた紙コップに付着していたヒ素の成分が一致していると結論付けられています。
しかし、死刑判決が下された後年、そのデータを提出した研究者が、同時に検査した別の近隣家屋5軒で検出されたヒ素にも、紙コップに付着していた成分と相違がみられないとカミングアウトしたとのことです。

つまり、警察の改竄されたと覚しきデータだけでなく、外部の検査結果も犯行を認めるには不十分な証拠だったと判明したのです。
皮肉にも、最高裁で死刑判決が決まった後に、です。

では、林さんが仮に犯人でないとすれば、真犯人は誰になるのでしょうか。
次は、それを考えてみます。


動機から予想される真犯人像

ケース1
動 機:嫌がらせ目的
真犯人:近隣住民
理 由:林さんは放漫な性格から予てより近隣住民の人たちから嫌われていたようで、事件当日にも言い争いなどのトラブルが発生していたとのこと。

死人が出るほどの大事になるとは思わず、林さんに罪を着せるためにヒ素を混入したのではないでしょうか。

ここまでの内容を踏まえると、もし、事件当日の午後7時頃に鍋の前で見張りをしていた方の自宅で、ヒ素が検出されているのであれば、その人物こそが有力な容疑者となりますが、どうなんでしょうかね。

ケース2
動 機:愉快班
真犯人:近隣住民
(有力証言者の、かの少年。もしくはそれに近しい人物)
理 由:虚偽の証言をする動機は悪戯の他に、自分が隠蔽したい事実を覆い隠すことが目的であるとも考えられるためです。
この場合は、彼自身もしくはその友人による、度の過ぎた非行が招いた事件ということになります。

ケース3
動 機:保険金詐欺の再犯を防ぐため
真犯人:保険会社の人間、もしくは雇われた探偵など
理 由:動機欄そのままです。


※1) かの少年が虚偽の証言をした別の理由としては、親類がケース1のように嫌がらせ目的で犯行を行ってしまったことが判明したために、真犯人を庇う必要性を感じたという可能性も挙げられるでしょう。

※2) ケース3は動機的に一番説得力がありますが、警察の捜査が行われる前にヒ素の使用という保険金詐欺の手口を知っておく必要があるため、現実的でない気がします。


最後に

ここまで色々と疑問や在らぬ疑いを呈してきた僕ですが、しかし、僕も警察の推察通り、林さんが犯行に及んだという可能性が高いだろうなと感じているのが本音のところです。
しかし、この事件には不可解な点が多く、証拠も不十分であり、判決を下すには早期過ぎたというのは、誰がみても明らかではないでしょうか。
無責任な主張であるのは百の承知ですが、せめて、今後誰もが納得のいく形で、何らかの真実が明かされることを祈っております。